拡大する写真・図版「どこまで地域と向き合うのか。この春、地域医療者としての姿勢を問われた気がしています」と話す新宿ヒロクリニックの院長・英裕雄さん=藤原伸雄撮影

[PR]

 住み慣れた家で、最期まで過ごしたい――。そんな患者の思いに応える在宅医療が、新型コロナウイルスの影響で変化を迫られている。東京・新宿で在宅医療に取り組み、感染者の対応に追われた新宿ヒロクリニックは、対面での診療を一時期、半減して乗り切った。流行地で得た教訓とは。「第2波」に備え、何ができるのか。(聞き手 編集委員・辻外記子

 ――どのような医療をしてきましたか。

 「定期的な訪問診療のほか、24時間365日、医師や看護師が待機し、緊急時の往診に対応します。在宅患者は約900人。高齢者が8割、がんや神経難病などが2割を占めます。昨年度は約200人をみとりました。求めがあればすぐに訪問し、できるだけ長く対応する。手厚い医療が信条でした。新宿・大久保という土地柄、外国人患者が2割を占める外来診療にも力を入れてきました。しかし、新型コロナの流行で、4月には訪問診療を半減させ、外来は2週間、閉鎖しました」

新宿ヒロクリニック院長・英裕雄さん略歴
はなぶさ・ひろお 1961年生まれ。慶応大商学部を卒業後、93年に千葉大医学部卒業。96年から在宅医。2001年に新宿ヒロクリニックを開業。

 ――大きな決断でしたね。

 「東京の感染者が増えるにつれ、対面診療を急いで減らす必要があると感じました。重症化しやすいのは、持病がある高齢者で、在宅にはそうした患者が多い。家に出入りして濃密に関わるスタッフが感染すれば歯止めがきかなくなる恐れがある。4月1日には、連携する介護サービスの看護師の感染がわかり、うちのスタッフも味覚障害を訴えました。数日のうちに5人に発熱などの不調が出て、『立て直さないと』と思ったのです。PCR検査の結果、スタッフは陰性でしたが、我々が患者にうつしてしまいかねない。スタッフと患者、スタッフ同士の接触を減らすのが最善の道だと判断しました」

重装備、強いられた負け戦

 ――在宅で発熱した患者にはどのように対応したのですか。

 「コロナが疑われる患者を診る…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら