コロナVSマスク、効果と限界 次に向けどう備えれば?

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コロナQ&A(マスクの効果と限界編) 回答:大西一成・聖路加国際大准教授

 Q 新型コロナウイルスの特徴がわかってきました。マスクの予防効果をどう考えればいいですか。

 A 新型コロナウイルスの感染経路として、当初は空気感染も疑われました。空気中を漂う微粒子エーロゾル(エアロゾル)による飛沫(ひまつ)感染が、空気感染として捉えられていたこともあります。ただ、空気感染が起きているならば、感染者数はもっと多く出ているはずです。電車などの公共交通機関を使う場合、ウイルスの取り込みを100%近くブロックするマスクをしなければ感染を防げないからです。

 マスクの性能には大きな差がありますが、着けていた人の多くは、一部の飛沫が正面に飛ぶことは防げたと考えています。また、クラスター(感染者集団)が発生した場所などから、感染する環境を絞り込むことができ、対策を取りやすかったケースもあります。

 しかし、今回うまくいったからといって、今後も安心と考えるのは大間違いです。感染しなかったのは、たまたまウイルスがいない環境だったからかもしれません。空気感染し、かつ感染力が強いウイルスの場合は、布マスクや不織布マスクでは対応できません。

 次の感染の波に向けて、個人や事業所が、ほぼ100%ウイルスの吸い込みを防げる「防じんマスク」を常備しておくことも考えるべきです。「N95」や「DS2」といった規格を満たしたものです。マスクと顔との隙間をなくして装着できるよう練習しておくことも重要です。

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 おおにし・かずなり 1978年生まれ。専門は公衆衛生学、環境疫学など。黄砂や大気汚染物質の人体への影響などを研究。著書に「マスクの品格」。

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