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 国立天文台が持つ国内の4台の電波望遠鏡を組み合わせ、銀河系の立体地図をつくろうとしてきた水沢VLBI観測所(岩手県)の今年度予算が削減され、地図作りが途中で終了することになった。一部の電波望遠鏡が存続できなくなる可能性もあったが、別の研究を目的とした予算が付き、かろうじて今年度中は運用が続くことになった。

 中止になったのは、水沢観測所が2003年から進めてきた「VERA(ベラ)プロジェクト」。水沢と東京・小笠原、鹿児島、沖縄にある4台の望遠鏡を組み合わせ、直径が2300キロの望遠鏡に相当する解像力で銀河系の立体地図をつくろうとしてきた。

 ところが、国立天文台は今年3月、今年度の予算半減を水沢観測所に通達。水沢観測所は職員数の削減を余儀なくされ、プロジェクトが継続できなくなった。一部の望遠鏡の廃止も取りざたされた。

 これに対し、水沢観測所や鹿児島大の研究者らが、ブラックホールに関する新しい研究を提案。国立天文台は先月30日付で数千万円の追加予算を認めた。地図作りは難しいが、望遠鏡は当面維持できるようになった。

 昨年、ブラックホールの撮影を世界で初めて成功させた研究チームにも所属する本間希樹(まれき)・水沢観測所長は「今年はなんとかつながって安心している。ただ、来年度以降は見通せず、いろんな可能性を探りながら研究を続けたい」と話した。(小川詩織)