土井恵里奈
拡大する山内健司(左)の目標は「月収1億円」。濱家隆一は「大金持ちになって、たっかい服着て、うまいもの食うて、でっかい家に住む」=大阪市北区、滝沢美穂子撮影
賞レースを制し番組MCになれば、体を張らなくてすむ――。それはまさに「机上の空論」だった。過酷なロケの多かった大阪での下積み時代。苦難を切り抜け、ようやくつかんだ冠番組を仕切る2人のこれからは。
おならのにおいは1週間保存できる? スキンヘッドが10人いればトラックを引っ張れる?
拡大するスキンヘッドの人たちでトラックを引っ張ってみた=関西テレビ提供
この番組「かまいたちの机上の空論城」では、誰も試さないようなことを体を張って検証する。ロケや実験に挑むのは後輩の若手芸人ら。かまいたちは、スタジオから彼らをいじりつつエールを送る。「やっとスタジオ側に回れた。いつになったら(ロケでなく)パネラー側になれるのかと思ってたんです」(濱家)
拡大する10日の放送に登場するのは「ミルクボーイ」の駒場孝。善人に見える相方、内海崇の裏の顔を暴露し、「恐ろしい奴やないか!」と検証する=関西テレビ提供
拡大するミルクボーイの内海崇=関西テレビ提供
コンビ結成は2004年。お調子者の大阪人と自認する濱家が、売れるために選んだ6人目の相方が山内だった。前に出るタイプではないが、とぼけた風情がおかしみを醸し出す。「僕はキャーキャー言われたくて男前の相方とばかり組んでは解散していたけど、山内は初めて顔は関係ないと思わせてくれた」
2人で漫才やコントにいそしむ中、きつかったのが在阪局のロケだ。
ブリーフを100枚はく実験もあれば、道行く人の声を約7時間拾うロケもあった。無人島ロケでは、一から食材探し。調理道具もなく、ペンキ用の一斗缶をナイフで開きフライパン代わりにした。「植物か焦げかサビか分からないものを食べることになった」(山内)
濱家は、真冬の夜の海に裸で潜った。身につけたのは、胸に粘着テープで貼った安物のライトだけ。波にさらわれた時の目印にするためだ。これこそ芸人、と思いつつ誓った。「スタジオで笑ってられる立場になりたい」
決意通り、2017年にコントの日本一を決める「キングオブコント」で優勝。東京進出も果たし、長時間の地獄のロケは減った。「あのロケを卒業したくて、賞を取って大阪を出た。ロケが原動力になった」。昨年、M―1で準優勝。今は全国区の人気を誇る。
そして手にしたこの番組。収録は懐かしの大阪で、故郷に錦を飾る――。
記事の後半では、2人の出会いからコンビ結成、大阪への思いをロングインタビューで。「いつ終わっても悔いはない」という山内さんにつっこみも。
はずだったのに、やっぱりスタ…
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