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 7月10日は「納豆の日」。山梨県笛吹市に本店がある納豆の製造・販売店「せんだい屋」は、毎年この日に企画し、店内が人でいっぱいになる人気の「納豆詰め放題」を、新型コロナウイルスの感染防止で密集を避けるため中止にする。代わりに、通常より安い納豆セットを販売する。

 年明けから納豆には追い風が吹き、コロナ禍でも勢いは止まらなかった。一方、従業員にとっては先の見えない日々でもあった。

 きっかけは1月末、国立がん研究センターが納豆などの発酵性大豆食品をよく食べる人は、そうでない人より死亡率が10%下がるという論文を発表したことだ。「スーパーに納豆がない」と話す人も買いにくるようになった。

 そこに、新型コロナによる巣ごもり需要が重なった。4月ごろから大手メーカーの生産も追いつかず、スーパーから「出荷できないか」という相談も寄せられた。都市部からのネット注文や問い合わせも増え、ピーク時には休日返上で出荷に追われた。

 せんだい屋名物の一つに、24時間購入できる「納豆の自販機」がある。約20種類80個の納豆が入るが、設置している山梨県と東京都内では、夜に補充したのに、翌朝には商品が空になっていることもあった。都内では行列ができた自販機もあったという。

 6月ごろから、納豆の需要は落ち着いてきた。伊藤英文社長は「納豆が健康に良いということが証明されてうれしい。今は十分に商品を用意できているので、たくさんの人に食べてほしい」と話す。(市川由佳子)