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 ソウル地方警察庁は10日未明、朴元淳(パクウォンスン)ソウル市長(64)が市内の山中で亡くなっているのを発見したと発表した。自殺の可能性が高いとみて調べている。朴氏は進歩(革新)系の代表的な政治家で、2011年からソウル市長を務め、現在は3期目。2022年の次期大統領選の候補にも名前が挙がっていた。

 警察によると、9日夕に家族から朴氏が失踪したとの連絡を受け、警察や消防が行方を捜していた。警察は、朴氏による女性へのセクハラをめぐる告訴が8日に出され、捜査が進んでいることも明らかにした。

 ソウル市は10日、朴氏の遺書を公開。「すべての方々に申し訳ない」「家族には苦しみを与えた」などと記されていた。

 朴氏はソウル大学の学生だった1970年代後半、軍事独裁政権に反対するデモに参加して逮捕された。退学後は弁護士として、80年代半ばから民主化を求める市民運動や慰安婦問題などに取り組んだ。韓国で大きな影響力を持つ市民団体「参与連帯」の幹部を務めた際には、選挙の候補者の「落選運動」を展開するなど韓国の社会運動を主導した。2006年には韓国の民主主義発展に貢献したとして「アジアのノーベル賞」と言われるマグサイサイ賞を受賞した。

 保守の李明博(イミョンバク)政権下で行われた11年のソウル市長選で初当選し、18年に3選を果たした。ソウル市では、学校給食の無料化やソウル市の非正規職の正規職への転換、青年への手当支給など独自の社会政策で注目された。新型コロナウイルス対策では、集団感染の発生を受けて遊興施設に事実上の営業禁止措置を出し、市民に生活費支援を行うなど積極的な政策を打ち出していた。(ソウル=神谷毅)