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 SNS上で誹謗(ひぼう)中傷を書き込んだ投稿者の情報開示のルールについて、総務省は10日の有識者会議で、投稿者の特定を簡単にする「新たな裁判手続き」の創設が適当とする中間とりまとめ案を示した。ただ、委員から慎重論が相次ぎ、修正される見通しとなった。

 いまは、SNSやネット接続のプロバイダー事業者を相手に2回の裁判手続きをへないと、投稿者を特定できない場合が多い。

 そこで、中間とりまとめ案では、事業者が開示できる情報に投稿者の電話番号を加えることが「適当」とされた。これには異論が出なかったため、今夏にも関連省令が改正され、1回の訴訟で投稿者の情報を得られるようになる見込みだ。

 一方で、とりまとめ案に盛り込まれた「新たな裁判手続き」には批判や疑問が相次いだ。これは、被害者が申し立てれば、裁判所が訴訟なしで投稿者の情報開示の是非を判断・決定するしくみ。導入されれば、訴訟より簡単な立証で情報が開示される可能性がある。

 しかし、総務省が先月25日に提案したばかりのもので、具体的な内容もほとんど分からない。このため、10日の会合では会議メンバー12人のうち6人が連名で「議論が尽くされていない」などとする意見書を提出。「新たな裁判手続きの創設を既定とせず、問題が生じたら見直しも含めた検討を」と求める異例の展開となった。会議の座長を務める曽我部真裕京大教授は「意見をしっかり受けとめて修文する」と応じ、案は近く修正されたうえで、総務省が意見公募を実施することになった。

 安易に訴訟をなくせば、企業などによる乱用が増え、誤った開示や匿名表現の萎縮につながるおそれがある。会議メンバーで事業者代理人を務める北沢一樹弁護士は「制度創設を先に決め、内容をあとで決めるのは順序が逆だ」と批判。裁判を受ける権利を投稿者らに与えないことが憲法に抵触しかねないと懸念する声も出た。

 また、いまは被害者の権利侵害が明白な場合、事業者の判断で情報を開示できるが、新たな裁判手続きが始まると、こうした任意の開示が減るおそれもあり、被害者代理人を務める清水陽平弁護士も「現状より被害者の権利が弱くなるのでは」と懸念を示した。

■テラハで流れ…

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