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 リニア中央新幹線の静岡工区が未着工となっている問題で、国土交通省の藤田耕三事務次官とJR東海の金子慎社長が10日午前、国交省内で面談した。着工のメドがたたない静岡工区(8・9キロ)をめぐって、国交省は、事態を打開する提案をJR東海と静岡県の双方に文書で示しており、その内容を直接説明した。

 金子社長は藤田次官との面談後、報道陣に「会社に帰ってから検討のうえ、また改めてきちんとしたコメントを出させていただく」と述べた。

 藤田次官は同日夕、静岡県庁を訪れて川勝平太知事に会い、提案の内容を説明する予定だ。

 南アルプスを貫く静岡工区のトンネル掘削工事は、県や大井川の流域市町が工事によって水資源や自然環境などに影響が出るのを懸念しており、着工のメドがたっていない。

 JR東海は、水資源などへの影響が少ないとして水処理施設の整備などトンネル工事に先立つ準備工事を進めたい考えだが、県側は「準備工事とトンネル掘削工事は一体だ」などと主張して認めておらず、膠着(こうちゃく)状態となっている。

 事態を打開するため、国交省は9日、JR東海と静岡県に文書を送付。静岡県に対しては、JR東海が静岡工区でトンネル掘削工事を始めないことを前提に、準備工事を認めるよう求めた。準備工事に必要な県の条例にもとづく協定の手続きを7月の早い時期にとるよう求めた。

 一方、JR東海に対しては、国の有識者会議の結果、準備工事の内容を変更する必要が出てきた場合は対応するよう求めた。

 赤羽一嘉国交相は10日午前の会見で「水資源、自然環境への影響の回避軽減と、リニア中央新幹線の早期実現の二つの柱を両立させることが必要であることは静岡県、JR東海と認識の共有を確認してきたところだ。沿線自治体をはじめ2027年開業への期待が大変大きいことから、JR東海と静岡県の間で課題をしっかりと協議をしていただくことが重要だ」と話した。

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