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 東京高検の黒川弘務・前検事長(63)と産経新聞記者2人、朝日新聞社員が緊急事態宣言下に賭けマージャンをしていた問題で、東京地検は10日、告発されていた賭博などの容疑について黒川氏ら4人を不起訴処分(起訴猶予など)にしたと発表した。地検は「1日に動いた金額が多額と言えず、事実を認めて反省していることなどを総合的に考慮した」と説明した。

 地検によると、4人は4月13日と20日、5月1日と13日の計4回、都内の産経記者宅で賭けマージャンをした。1千点を100円に換算する「点ピン」と呼ばれるレート。法務省の調査では、現金のやりとりは1万~2万円程度だった。

 起訴猶予は罪は成立するものの、様々な事情を考慮して起訴を見送る処分。この日、臨時の会見を開いた斎藤隆博次席検事は起訴猶予の理由について、4人が旧知の間柄で動いた金額も多額ではなく、賭博性を高める特殊ルールを採用していないため「娯楽の延長線上にある」とした上で、4人が辞職や停職処分で社会的制裁を受け、いずれも事実を認めて反省していることを挙げた。

 地検は、4人が約3年前から月1、2回の頻度で賭けマージャンをしていたと認めたが、「賭博の種類や賭けた金額、頻度などから常習性は認められない」と判断。産経記者がハイヤーで黒川氏を自宅に送ったことが収賄にあたるかについても「利益供与とは認められない」とし、「嫌疑なし」と判断した。

 「黒川氏の立場を考慮して起訴の判断もあり得たのでは」と問われると、斎藤次席は「一般人よりも重く処罰すべきではという指摘は国民感情としてよく理解でき、重く受け止める」としつつ、「法と証拠に基づいて判断した」とした。

 この問題は週刊文春の報道で5月20日に発覚。黒川氏は検事総長による監督上の措置である訓告処分を受け、同22日に辞職。複数の市民団体が賭博と常習賭博のほか、黒川氏が産経記者のハイヤーで帰宅して代金を負担させたとする贈収賄の容疑でも告発していた。

 朝日社員は社内調査に対して事実関係を認め、「極めて不適切な行為で深く反省しています」と話していた。朝日新聞は同29日、社員の処分を決めたほか、編集部門の責任者が「皆様の信頼を損ねたことを重く受け止め、深くおわびいたします」と謝罪していた。

 朝日新聞社広報部の話

 本社員の行為は極めて不適切でした。みなさまの信頼を損ねたことを、改めておわびします。