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 三重県伊賀市の神村学園高等部伊賀に今年度、野球部が創設された。1年生12人が入部。ところが、新型コロナウイルスの影響で、思うように練習ができない状態からのスタートになった。2020年県高校野球夏季大会が、待ち望んだ公式戦への初参戦となる。

 17年に、学校法人神村学園(本部・鹿児島県)の分校として開校。坂田将太監督(35)は国語の教員として、19年4月に赴任した。以来、野球部の創部に向けて、準備を進めてきた。高校時代は球児として甲子園をめざし、練習に励んでいた経験を持つが、野球の指導は今回が初めてだ。

 だが着任早々、「部員集め」という大きな壁にぶち当たった。当時の全校生徒は40人弱で、うち男子生徒はわずか数人。このため、新1年生の入部に期待するしかない。「本当に野球部なんてできるのか」。不安だらけだった。

 部員が入る寮をどう確保するかという問題も浮上した。地域の協力のもと、空き家となっていた民家を改装。15人ほどが暮らせる寮を用意した。

 次は練習場所だ。山あいにある学校のグラウンドは狭く、先に創部した女子サッカー部が使っている。近くの「青山グラウンド」を使えるように手配した。

 新1年生は12人が入部を決めた。しかし、新型コロナウイルスの影響で臨時休校となり、部活動の開始は6月まで延期になった。

 休校中に部員たちのモチベーションを保つにはどうすればいいか――。日誌の提出や、全員参加のオンライン筋トレを採り入れた。坂田監督は「全員でやっているという意識を持たせたかった」と言う。

 6月1日、初めて全部員が顔を合わせての練習を迎えた。「やっとここまで来た」。野球部がスタート地点に立ったことに、だれもが喜びをかみしめた。

 「自分たちがゼロから野球部の型を作っていく。後輩が入ったときに、これが神村学園伊賀の野球だと見せられるようにしたい」。主将になった森中虎鉄君の意気込みは強い。

 坂田監督は部員たちに繰り返し伝えている。「全力疾走、全力発声。野球ができる喜びを自分たちのプレーで表現して、応援されるチームになろう。それが自分たちの力になるはずだ」(大滝哲彰)