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 「お前を殺して俺も死ぬ」。寝たきりの父に包丁を振り下ろした男は、家族に制止されながらもそう叫んだ。事件直後、駆けつけた警察官に「父の暴言がひどく、自分がやらなければ母が苦労すると思った」と語ったという。家族に一体、何があったのか。

 昨年9月15日、群馬県安中市安中1丁目の実家で、父(当時76)の左胸を包丁で刺し、2日後に出血性ショックで死亡させたとして殺人の罪に問われた無職笹原慎也被告(45)=同市原市=の裁判員裁判。前橋地裁での公判で被告は「犯行当夜の記憶がない」として無罪を主張。殺意の有無が争点となった。

 被告は3人兄妹の次男。高校卒業後は父が営んでいた建設業に従事した。被告人質問で、当時の父を「職人気質で口調は厳しかったが、市内では評判の大工。憧れの存在だった」と振り返った。

 しかし2008年8月、脳出血で倒れた父は左半身麻痺(まひ)の後遺症が残った。母が介護した。被告は父のために、実家にスロープや手すりを作った。福祉車両を借り、紅葉を見に連れて行ったこともあった。家業はその後3年ほどで廃業。被告は県内の清掃会社に勤めながら、週末などには実家を訪れ、介護を手伝った。

 父は年々、家族に暴言を浴びせるようになった。母には「うるせえ、このバカアマ」と怒鳴り、ひわいな言葉でののしった。昨年8月、一時的に介護施設へ預けられたのを機に、父の暴言はさらに悪化した。

 1カ月ほどで帰宅後、事件直前…

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