九州地方の観測地点で記録した降水量の累計=7月4日午前0時から7日午後23時、気象庁の観測データから
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 朝鮮半島付近にある低気圧に向かって湿った空気が流れ込んだ影響で、九州北部を中心に10日午後、非常に激しい雨が降った。気象庁によると、この低気圧が東へ進み、梅雨前線の停滞も続くため、11日は九州北部を中心に東日本、東北までの広い範囲で大雨となる恐れがある。

 10日午後、佐賀県嬉野市で1時間に64・5ミリ、長崎県対馬市で62・5ミリ、福岡県大牟田市で56・0ミリなど、「滝のように降る」「傘は全く役に立たなくなる」とされる量の雨が降った。

 日本海上に延びる前線は12日に太平洋側まで南下する見通しで、海沿いの地域をのぞいて雨は一時的に小康状態となる。ただ、前線は再び北上し、少なくとも14日までは停滞が続くとみられ、警戒が必要な状況は来週にかけて続くという。気象庁は、引き続き土砂災害や河川の氾濫(はんらん)に厳重な警戒を呼びかけている。

 11日午後6時までの24時間に予想される降水量は多いところで、九州北部250ミリ、四国200ミリ、東海と九州南部180ミリ、北陸150ミリ、東北と関東甲信、近畿120ミリ、中国80ミリ。

 12日午後6時までの48時間では多いところで、東海と九州北部250~350ミリ、四国と九州南部200~300ミリ、関東甲信と北陸、近畿150~200ミリ、東北120~200ミリ、中国80~130ミリと予想される。

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 気象庁は、3日午前0時~10日午前9時の降水量をまとめた。平年の7月の1カ月間に降る量と比べたところ、鹿児島県鹿屋市では1週間で約3・2倍、福岡県大牟田市で約2・2倍、熊本県水俣市で約2・1倍、岐阜県下呂市で約2・0倍の雨が降ったという。

 今月に入って日本付近で偏西風が蛇行していることが、今回の豪雨が長期化している一因という。蛇行で、太平洋上の高気圧が日本へ張り出さずに停滞。高気圧の周りを吹く風が、湿った空気を送り込み続けている。また、日本の西側で低気圧を発生させ、発達した雨雲が生まれているという。(山岸玲)