トランプ氏、元側近の禁錮刑免除 異例介入に野党は批判
ワシントン=渡辺丘
トランプ米大統領は10日、偽証などで実刑が確定していた腹心のロジャー・ストーン被告(67)の刑を免除した。ストーン被告は、2016年の大統領選にロシアが介入したとされる疑惑に関連して有罪となったが、ホワイトハウスは声明で「ロシアに関する作り話の犠牲者だ」とした。
ストーン被告はトランプ氏の長年の友人で、16年の大統領選ではトランプ陣営の選挙顧問を務めた。今年2月に禁錮3年4カ月の判決を受け、7月14日までに刑務所に収監される予定だったが、大統領による異例の判断で、直前に免れた。
大統領は恩赦や刑の免除を自由にできる。ホワイトハウスは声明で、ロシア疑惑に関する捜査が「魔女狩り」だったと主張。「根拠のない捜査が進められなければ、ストーン被告が刑務所行きに直面することもなかった」と、刑免除の理由を説明した。これに対し、野党・民主党からは「トランプ氏は、犯罪者である自分の友人と、その他の人との間で、二つの司法制度が米国に存在することを示した」(シフ下院情報委員長)などと、批判が出た。
ストーン被告をめぐっては判決前にも、検察官の求刑についてトランプ氏が「不公平でひどい」とツイートし、司法省が撤回したうえで求刑を軽くする異例の事態が起きていた。(ワシントン=渡辺丘)