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 新型コロナウイルスの対策費に充てるため、47都道府県のうち42都道府県が自治体の貯金にあたる「財政調整基金」を計1兆円超取り崩し、総残高は前年度末に比べて58%減ったことが、朝日新聞の調査でわかった。休業要請に対する支援金や医療体制の強化に充てた。「次の波」に対して、春と同じような対応をとることは財政的に厳しい状況だ。

 調査は7月初旬、47都道府県を対象に行った。2020年4月以降、コロナ対策のために取り崩した財政調整基金の額を聞き、全都道府県が答えた。

 それによると、42都道府県が総額1兆852億円の財政調整基金を取り崩した。19年度末の総残高は47都道府県で計1兆8868億円あったが、コロナ対策だけで6割近く減った。

 最も多く取り崩したのは東京都で8521億円。休業要請に応じた事業者への最大100万円の協力金などに充てた。大阪府の796億円、神奈川県の167億円が続き、感染者が多い都市部が目立った。

 残高に対する取り崩し額の割合は、石川県が最も高く91・9%にのぼった。それ以外で高かったのは、東京都の91・2%、山口県の88・3%、茨城県の81・2%、秋田県の76・0%。財政規模が比較的小さな県が多かった。

 財政調整基金を使った主なコロナ対策として回答が多かったのは、休業要請をめぐる支援金。少なくとも11都府県で計3055億円使った。医療体制の強化も多く、神奈川県は臨時医療施設とするプレハブ整備に約65億円、北海道はPCR検査センターの設置・運営に約7億円、石川県は医療機関協力金に約10億円を充てた。

 埼玉、千葉、岐阜、京都、兵庫の5府県は取り崩していない。「企業会計から100億円を取り崩してコロナ対応に使っている」(埼玉県)、「国の臨時交付金などを活用する」(京都府、兵庫県)などが理由だ。

 都道府県が独自政策の財源にしやすい財政調整基金の急減で、「次の波」に対応する財政的な余力は小さくなっている。休業要請に応じた事業者に対して春は最大100万円の協力金を給付した大阪府は「次の波が来た場合、同じように手厚くは対応できない」(幹部)とする。景気悪化で今後の税収減も見込まれる中、財政調整基金は自然災害への備えでもあり、各自治体は危機感を募らせている。(笹川翔平、多鹿ちなみ)

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