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 全国高校野球選手権大会の中止を受けて道高野連が開催を決めた夏季北海道高校野球大会が11日、南北海道大会の函館地区で開幕した。大会は選手の家族や控え部員を除き無観客で実施。10地区に204校、181チームが出場する。南大会は8月3日に札幌円山球場で、北大会は5日に旭川スタルヒン球場で始まる。

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 甲子園に春夏13回出場の函館大有斗は、エースの工藤雅史投手(3年)が直球狙いの相手打線を変化球でかわし、7者連続を含む13奪三振の快投をみせた。

 九回表一死一塁、工藤投手はマウンドで小さく息をはき、132球目を投げ込んだ。打球は遊撃手の前へ転がり、併殺で試合終了。勝利の瞬間も表情を変えなかった。「調子はあまり良くなかった。後ろの仲間のおかげ」と、チーム全員でつかみとった勝利を静かに喜んだ。

 昨年7月、プロ野球で投手として活躍した古溝克之監督(56)が就任。今年の夏は、新監督とともに甲子園を目指していた。だが、夏の甲子園は中止に。古溝監督は選手たちに「努力は決して無駄にはならない。長い人生の中でこの経験は糧になる」と言葉をかけた。

 それからは夏季北海道大会の優勝に目標を切り替え、練習に打ち込んだ。本田瑠惟主将(3年)は「監督、コーチ、部長を南北海道で一番にすることを目指している。自分の世代で達成したい」。

 古溝監督は「うちには目立った選手はいない。日替わりでヒーローが生まれるチーム」と言う。初戦で主役となった工藤選手は「今日は体がかなり疲れた。直球の質をもっと上げたい」。バッテリーを組む本田主将は「緊張感もあって今日は我慢の時も多かった。優勝を目指して一つ一つ勝っていきたい」と話した。(原田達矢)