拡大する写真・図版コロナの時代 官邸非常事態

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 コロナウイルスの感染拡大で、世界は大きく変わろうとしています。政治、医療、経済……。様々なジャンルで舞台裏を追う連載「コロナの時代」。今回は、首相官邸がこの半年間、どう動いたかを追う全6回のシリーズ「官邸 非常事態」です。初回は入国制限をめぐる政権内部の「葛藤」に迫ります。

「台湾を先行させてね」 首相の思惑

 「なんでブルネイが入っているんだ?」

 今月1日、政府が出入国緩和の第2弾として中国、韓国、台湾、ブルネイなどと交渉を始める方向で検討に入ったと報じられると、政府内で疑問の声があがった。確かに新型コロナウイルスの感染状況は落ち着いているが、経済界のニーズは必ずしも高くない。

 これには安倍政権ならではの事情があった。

拡大する写真・図版会談前に握手を交わす安倍晋三首相とブルネイのボルキア国王(左)=2019年10月23日午前8時45分、東京・元赤坂の迎賓館、代表撮影

 政府は6月、国際的な人の往来再開に向けて動き出した。第1弾に選んだのはベトナム、タイ、豪州、ニュージーランド。感染状況とニーズで考えれば次は中韓台、というのが政府内のコンセンサスだった。

 「台湾を先行させてね」。複数の政府関係者によると、安倍晋三首相は第2弾の検討にあたり、そう指示したという。

 首相の支持層は中韓への強硬姿勢を期待する。とりわけ感染拡大の「震源地」となった中国からの入国緩和には、反発が予想される。中国が香港での反体制的な言動を取り締まる「香港国家安全維持法」を導入し、政権の立ち位置はさらに難しくなった。中国との対立を深める米国への目配りも必要だ。

 そこで首相は、国内の保守派が友好的な台湾を中韓より優先させることで、支持層などの反発を和らげようと考えたようだ。世界で最も感染を抑え込んだ国・地域の一つである台湾からの入国緩和は、自民党保守系議員らの要望でもあった。

中国、欧州、そして米国。世界的に感染が広がる中、官邸は外交関係を考慮しつつ水際対策をとらなくてはならない、という難しい決断が続いています。さらには、国内の支持勢力への配慮も見え隠れします。

中韓台、埋没させるためのブルネイ

 一方で世界第2位の経済大国で…

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