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 新型コロナウイルスの影響で、夏の甲子園大会と地方大会が中止になったことを受けて開催される県独自の「2020夏季静岡県高校野球大会」(県高校野球連主催、日本高野連、朝日新聞社など後援)が11日、開幕した。初日は雨天により、一部の試合が中止となり、早くも今後の日程に影響が出た。

 大会は新型コロナウイルスに伴う休校措置で選手の体力が低下していることや、限られた日程で試合を組むため1試合7回制で実施される。また感染拡大防止のため、試合は原則無観客で行われる。

 初日は大雨に見舞われ、全22試合中、4試合が試合前、1試合が試合途中で中止となった。断続的な雨により、球場によっては開始時刻が遅れたり、試合を中断したりと、空模様を気にしながらのスタートとなったが、球児たちは、試合ができる喜びを感じながら力いっぱいのプレーを見せた。

 沼津市の愛鷹球場で行われた注目カード加藤学園対飛龍の一戦は濃霧のため30分遅れで試合が始まったが、すぐに雨が強まり、中断。その後も2度中断し、天候の回復を待ったが、三回途中でノーゲームとなった。

 12日は、11日に雨で中止になった5試合を含む1回戦27試合が予定されている。プロ注目の強肩捕手二俣翔一選手(3年)がいる磐田東と昨夏ベスト4の浜松工の注目対決などがある。(和田翔太)

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 「笑って、笑って」

 9点をリードされて迎えた四回表、無死満塁のピンチ。マウンド上の浜松湖北高佐久間分校唯一の3年、杉本大河君にバッテリーを組む金谷の織部一寿君(3年)が声をかけた。

 あと一点失えば、5回コールド負けの可能性が出てくる。心を落ちつかせ、思いを一つにした2人は、次打者をショートフライに打ち取った。「強豪相手にアウトを取る姿を後輩たちに見せたかった」

 熱海、金谷、浜松湖北佐久間分校の3校は、それぞれ県の東部、中部、西部にあり、合同練習は一苦労だ。熱海と佐久間分校は車で3時間近くかかる場所にある。

 開幕までに3校そろったのはわずか4回。新型コロナウイルスの影響で集まれない期間はオンライン会議やLINEでコミュニケーションを図ってきた。

 「せめて最後くらい」と、今大会前に3回の練習試合を予定していたが、それも大雨で中止となった。

 結局、コールド負けは避けられなかった。5回、0―13。後悔がないといえばうそになる。それでも、昨夏準優勝の相手を2度、三者凡退に打ち取った。

 杉本君は試合後、初めて織部君と投球練習をした時のことを思い出した。変化球がバウンドしてしまう自分と、それを捕球できない織部君。練習を重ね、少しずつ信頼関係を築いてきた。バウンドしても受け止めてくれる。仲間を信じることができた時、思い切って納得の行く球が投げられるようになった。

 「連合だからこそ、人の支えを強く感じた。野球が出来る喜びを実感できた時間でした」(広瀬萌恵)