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 京都府高校野球連盟が主催する独自大会の12日の1回戦で、京都成章が東宇治を5―2で下し、初戦を突破した。大会日程の確保などのために7回制が採用された京都。先制点はより大事になる。それを奪う4番の一発に、監督が思わぬ一言を叫んだ。

 0―0で迎えた二回、京都成章の先頭は4番の加藤滉基(3年)。フルスイングでとらえた打球が、右翼フェンスを越えた。先制のソロ本塁打。直前の守備で1死満塁のピンチを切り抜けたばかりだから、ベンチも盛り上がる。ここで松井常夫監督の大声が球場にこだました。

 「ハイタッチなしな!」

 加藤はベンチに戻ると、仲間とひじをぶつけ合うしぐさをする“エアひじタッチ”で喜びを分かち合った。

 今夏、各地の独自大会は、新型コロナウイルスの感染拡大予防に力を入れている。各都道府県高野連が日本高野連が作った感染防止対策ガイドラインを参考にしながら大会を運営。京都では出場校に、「試合中は素手のタッチ・握手を控え、ボールを触った手で目・鼻・口を触らない」と周知徹底を求めていた。

 試合後、松井監督は「ピンチの後の加藤の一発が大きかった」と話した。そして、叫んだ理由にも触れた。「異例な声ですよね。ルールとしてあかんので、徹底しようと。練習試合ではハイタッチをやっていたので、心配していたんです」

 加藤にも、その声は届いていた。「(ハイタッチの自粛は)決められていることなので、さみしいとかは全然思わなかった。みんなと喜ぶこと自体はできたので、よかったです」と振り返った。(小俣勇貴