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 新型コロナウイルスの感染予防のため、原則無観客で試合が行われ、握手やハイタッチは禁止……。11日に開幕した高校野球の鳥取の独自大会では、勝利校の選手が本塁付近に距離を取って2列に並び、校歌を歌っていた。

 12日の第1試合。全国選手権出場8回の八頭を破った鳥取育英の選手たちは、腰を反らせて歌った。主将の前田龍希(3年)は「腰を反らせて大きな声で歌うのが育英の伝統。試合直前まで他校のように普通に歌うか悩んだけど、2、3年生で話し合って決めた」と話す。それでも通常よりは抑え気味だったという。

 歌っている時の様子も、普段と違う。「今まではみんなの声が近くで聞こえていたけど、今回は(離れているので)聞こえなかった」と米子松蔭の主将・田渕広大(3年)。米子東の岡本大翔(3年)も「自分の声しか聞こえないから、いつもより歌うのに緊張した」と話す。

 県高野連は大会前、距離を空ければマスクを外して歌ってもいいと県に確認し、一人ひとりの間隔を1・5~2メートルとって歌うことを決めた。「やっぱり勝ったら歌わせてあげたい」と田村嘉庸理事長。甲子園を目指せない球児に、少しでも普段通りの野球をやらせてあげたい。そんな思いが伝わってきた。(大坂尚子)