東京五輪、本当に来夏できる? これだけ残る不安の数々

新型コロナウイルス

聞き手・坂本進
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コロナQ&A(海外事情から学ぶ編) 回答:和田耕治・国際医療福祉大教授

 Q 新型コロナウイルスの感染が、南米や南アジアなど途上国にも急速に広がっています。来夏の東京五輪パラリンピックの開催は可能なのでしょうか。

 A 感染対策の観点からみると、すべての選手にとって公平な大会を開くのは難しいと考えます。

 新型コロナは来夏までには世界で収束していないでしょう。集団免疫の確立には数年はかかるためです。

 参加する選手には事前に検査を受けてもらうなどの対策は取れますが、大会中に感染者を出さないという保証はできません。もし選手が大会中に感染した場合、その選手やチームメートは出場できなくなるでしょう。体の接触が多い競技の選手に感染者がいた場合は、対戦した相手もその後、競技を続けられないこともありえます。

 また、大会までのことを考えると、代表選手の選考会も課題です。スケジュールを逆算するとあまり時間はなく、選考会を開けないような状況の国も出てくるでしょう。後腐れのない五輪・パラにするには多くの困難が待ち受けています。

 一方、大会期間中は多くの観客や関係者が日本を訪れます。感染が流行している国の人の入国はどう扱うのでしょうか。大会をきっかけに日本で感染が広がるリスクも考えられます。

 ワクチンへの期待の声もありますが、開発されたとしても楽観するのはよくありません。ワクチンがすべての人に万能とは限りませんし、命に関わるような副作用も考えられます。

 最終的には経済への影響や世論を考慮して決めることになるでしょうが、来夏の開催は課題が多く、現状では厳しいと思います。

     ◇(聞き手・坂本進

 わだ・こうじ 国際医療福祉大教授(公衆衛生学)。厚生労働省のコロナ対策に従事。国際協力機構(JICA)の専門家としてミャンマーベトナムでも勤務。

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