斉藤佑介
拡大するイラスト・加藤啓太郎
今となっては、空々しく感じてしまいます。
「楽しんでいる人、こちらに手を振って~」「手拍子、よろしく!」「ハイッ、ハイッ!」。2月15日、聖火リレーのリハーサルが東京都羽村市でありました。先導車から大音量の音楽が流れ、DJが沿道の観覧者をあおり、ダンサーが踊る。「地域住民を巻き込み、開催直前の大会の興奮を創出する」と聖火リレーは位置づけられており、その演出を当時は理解できました。
拡大する聖火リレーのリハーサル。ランナー通過前に関係者が沿道を盛り上げていた=2020年2月15日、林敏行撮影
しかし来年の本番は、こうした華美な演出をそぐべきです。新型コロナウイルスによって、世界では58万人を超える人が亡くなり、暮らしが大きく変わりました。出発式などはやめ、沿道の観覧もランナーの家族や関係者など一部に制限する必要があると思います。
ただ、現時点で中止までは求めたくありません。
3月、ハンセン病回復者の聖火ランナー、平沢保治さん(93)を多磨全生園(東京都東村山市)に訪ねました。
国の強制隔離政策によって14…
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