拡大する写真・図版イラスト・加藤啓太郎

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6つのカタチ④ 選手村
史上初の延期となった東京オリンピック。IOCや大会組織委員会は、費用削減を念頭に「安全で簡素」な大会の姿を模索しています。コロナの時代、多くの人が価値を認めるスポーツの祭典とは? 譲れるもの、譲れないものは? 6つのキーワードを切り口に、取材を続ける記者たちが考えました。

 「簡素化に聖域はない」と国際オリンピック委員会(IOC)は強調しています。五輪憲章の魂ともいえる「スポーツを通じた平和な社会の推進」の象徴として開催都市に設置を義務づけている選手村も、例外ではありません。当然だと思う半面、本当に簡素化できるのか……。考えれば考えるほど、疑問がわいてきます。

拡大する写真・図版東京五輪の選手村がある晴海エリア。奥にはタワーマンションが並ぶ=6月27日午後1時40分、朝日新聞社ヘリから、北村玲奈撮影

 IOCと大会組織委員会はいま、簡素化に向けた知恵を絞っています。「メインダイニング(食堂)の24時間営業などの見直し」「入村期間の短縮」「入村式などのイベントの廃止」などが候補で、各国のオリンピック委員会などと交渉しています。ただ、そうやって削った経費が吹き飛ぶくらいの追加経費がかかる可能性が高いのです。

 なぜでしょう。200超の国・地域から来る1万人以上の生活拠点となる選手村は、新型コロナウイルスの感染リスクが高まる密閉・密集・密接の「3密」ができやすく、あらゆる対策が必須だからです。例えば食堂については、2012年ロンドン大会で「ピーク時に30分で1万食を提供」との記録が残っています。提供方法も、コロナ対策に不向きなビュッフェ形式です。

選手にとって一番の思い出

 寝室は、シングル(最低で9平…

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