「新型コロナの感染防止のため、密閉、密集、密接の三密を避けましょう」。初めて聞いたとき、ドキッとしました。え、なんで仏教の言葉が?と。
私は、福島県・猪苗代湖のほとりで約500年続く真言宗のお寺の住職です。実は、真言宗の教えで大切なのが三つの密なのです。「三密」は、今年の流行語大賞に選ばれるかもしれません。コロナ時代に生きる知恵として、弘法大師様の教えを世に広める機会だと考えています。
真言宗の三密は、身密(しんみつ)、口密(くみつ)、意密(いみつ)です。「密」とは、弘法大師が唐から伝えた密教の密を指し、仏と一体となる修行を意味します。からだや行動(身)を整え、言葉や発言(口)を正しいものとすれば、おのずと心や考え(意)も整う。修行を重ね、三密を研ぎ澄ませば、この世であっても仏様のように心穏やかに過ごせる。真言宗の最も大切な教えです。
コロナと共存せざるを得ない今、これをうまく生かすことができます。
「身」、つまり行いに関して…

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