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 12日にオープンした北海道白老町のアイヌ文化発信拠点「民族共生象徴空間」(愛称・ウポポイ)。中核施設の国立アイヌ民族博物館には海外からの評価も高い木彫家貝澤徹さん(61)の新作が展示されている。現代アイヌアートの代表的な作家の一人である貝澤さんに新作にこめた思いなどを聞いた。

拡大する写真・図版木彫家・貝澤徹さん=北海道平取町二風谷

 ――博物館の特別展示室には貝澤さんの新作「アペフチカムイ~火の神様~」が展示されています。老婆の姿をした火の神が炎の中から顔をのぞかせています。なぜ火の神を題材にしたのですか。

拡大する写真・図版国立アイヌ民族博物館の特別展示室の貝澤徹さんの作品「アペフチカムイ~火の神様~」=2020年6月9日、北海道白老町、日吉健吾撮影

 「火の神はアイヌの儀礼にとても大切な神様で、最初に対話をする存在です。火の神様は天上の神様に伝えてくれる役割をします。アイヌ文化では自然界に神様がたくさんいますから。そうしたものに伝えてくれます」

 「中高生のころ、自宅のストーブの前で『明日は釣りに行くぞ』と弟と話していたら、両親から『そんなこと火の神様の前で話したら、全部魚に伝わって釣れなくなるぞ』と言われたんです。『えー、本当かなあ』と思いましたけど」

 「その記憶があって、火の神は…

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