ドーム熱狂の手作りギター こだわり尽くすミクロの精度

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吉田貴司
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凄腕しごとにん

ギター職人 松本貴幸さん(50)

 栃木県の、とある無人駅から少し離れたところに自宅兼アトリエはある。窓の外には麦畑。豊かな自然に囲まれながら、注文を受けた1本1本を、約3カ月かけて手作業で作り込むのが「VitaGuitala’s」(ビータギタラーズ)のエレキギターだ。

 ハンドクラフトのギターやベースは、弾き手の好みに応じて、細部までこだわりが尽くされる。メープルなどの木材を、基本となる4タイプの設計図をもとに、その人が弾きやすい形や重心にも配慮して削っていく。配線をつなぐハンダですら、ロックかジャズかなど、奏でる音楽のジャンルによって変える。最後の塗装まで、全ての作業を1人でこなす。

「精度が良いからハンドクラフト」

 手作りだから粗削りでもいい、という考えは毛頭ない。ギターの音を安定させるには、取り付けるネック部分とボディーの軸のズレと、弦を張った時の適正な長さからのズレを、どちらも最小限にする必要がある。そのズレが、どちらもわずか0.2ミリ以内に収まるように作り上げる。「精度の悪さも味のうち、なんてことはない。精度が良いから、ハンドクラフトなんです」

 バンドブームだった高校生の頃からギターを演奏。BOOWY(ボウイ)や洋楽のコピーバンドを組んだ。やがて、ギター雑誌を買いあさる「ギターマニア」に。大学時代には、既製ギターのパーツを自分で取り換えるようになった。

 大学の理工学部を卒業後、医療器具メーカーで特許や商標の管理を担当。ブランドの持つ力を知り、「自分もブランドを持ちたい」と思うようになった。でも、医療器具は自分では使えない。自分で使い心地の分かるものづくりがしたいと、退職して名古屋のギター製作学校で修業。卒業後、国内にはわずかしかないエレキギターのアトリエを地元に戻って開き、夢だった自分のブランドを立ち上げた。

GLAYからの大仕事

 15年の年明け、大仕事がや…

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