TikTok香港撤退 中国製アプリに透ける限界

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北京=福田直之
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 若者を中心に日本でも人気の動画SNSアプリ「TikTok(ティックトック)」が、香港国家安全維持法(国安法)が施行された後、香港での運営を停止した。背景には、中国企業傘下ながら世界的アプリに育ったという特異ないきさつがありそうだ。米中の対立が深まるなか、「内」と「外」を分ける戦略にも限界が見えつつある。

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 「残念ながら、香港での運営を停止したことをお知らせします」。香港ではTikTokのアプリにそう表示されるようになった。日本の広報担当者は、香港での運営停止について、「TikTokがグローバルブランドとしてやっていくために決めた」と説明する。

 アプリを展開するバイトダンスは、2012年に創業した中国のIT企業。同社は中国でニュースアプリ「今日頭条」や動画アプリ「抖音(トウイン)」を展開しており、この「国際版」に当たるのがTikTokだ。

 バイトダンスは中国企業である以上、香港警察から国安法に基づいて情報の削除などを求められれば、拒むのは難しい。だが、日本や欧米など、言論の自由が守られる先進国に多くの利用者を抱える同社としては、情報の削除などで生じるブランドへのリスクは取れないと判断し、香港撤退を決めたとみられる。

 TikTokは中国企業のブ…

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