[PR]

 2013年に自殺した熊本県立高校1年の女子生徒(当時15)の遺族が、いじめに学校側が適切に対応しなかったなどとして、県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が14日、福岡高裁であった。矢尾渉裁判長は「いじめへの不適切な対応で、生徒は精神的苦痛を受けた」と述べ、県に計220万円の支払いを命じた。

 生徒は13年4月に入学し、付属の寮で生活。夏休みで帰省中の同年8月、実家で自殺した。遺族は16年7月、いじめに関わったなどとして元同級生1人と県を相手に損害賠償を求めて熊本地裁に提訴。昨年5月の地裁判決は、元同級生に11万円の支払いを命じた。一方、県については、担任教諭がいじめを見逃したとして安全配慮義務違反を認めたが、自殺との因果関係は認めず、請求を棄却していた。

 この日の控訴審判決は、一審判決が認めなかった寮生活を指導する「舎監長」についても、いじめへの対応が不適切だったと認定。生徒と元同級生のトラブルを校長に報告せず、「けんか」と判断したことなどから、安全配慮義務違反があったと指摘した。

 その上で、県は生徒の自殺までは予見できなかったとして、県の対応と自殺との間に、賠償責任が生じる法的な因果関係があるとは認めなかった。ただ、生徒は不適切な対応で寮生活を続けないといけなくなった不安からうつ状態になり、自殺に至った蓋然(がいぜん)性が高いとも指摘。舎監長らの対応によって負わされた生徒の精神的な苦痛が、慰謝料の対象になると結論づけた。

 判決後、取材に応じた生徒の母親(52)は「自分が主張してきたことを認めてもらった。娘が言いたかったことがやっと伝わった」と話した。

 県は「今後、判決内容を十分に確認した上で、対応を検討したい」とする蒲島郁夫知事のコメントを出した。(山野健太郎、宮坂知樹)