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 今年5月に首都圏の全6店舗を閉店した飲食チェーン「美々卯」の従業員9人が14日、運営会社の「東京美々卯」=清算手続き中=を相手取り、解雇無効や賃金の支払いなどを求める訴えを東京地裁に起こした。

 訴状や会見した原告らによると、同社は新型コロナウイルスの影響で業績が落ち込み、4月中旬の役員会で会社解散を決定。パートを含む約150人の従業員に退職同意を求め、応じなかった従業員を解雇した。

 原告側は、会社と労働組合との労働協約で、会社解散や解雇には労組の合意や本人の同意が必要だったと主張。「労働協約を公然と破り、不法行為だ」としている。1年分の賃金や慰謝料など計約6822万円の支払いも求めている。

 東京美々卯は取材に対し「弊社はすでに事業を廃止して適法に解散している。提訴は遺憾だが、訴状を拝見して適切に対応していく」とコメントした。

 「うどんすき」で知られる東京美々卯は、1973年に、関西で展開する「美々卯」(大阪市)からのれん分けする形で設立。東京や神奈川、千葉の百貨店などで店舗を展開してきた。だが今年5月、突然の閉店を決めた。

 旗艦店だった京橋店(東京都中央区)では、地元の町内会の有志や医師、大学教授らが呼びかけ人となり、営業再開を求めて署名活動を実施。6月末までの約1カ月で約1100人分の署名が集まり、大阪の美々卯の代表に手渡したという。原告の一人で元店長の男性は「一刻も早く京橋店で営業再開できることを切に願っている」と語った。