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 新型コロナウイルスの感染状況を分析し、感染対策を厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)の会合が14日、同省で開かれた。感染者数は全国的に増加傾向で、感染経路が分からない人も増えているとして、感染状況を注意深く見ていくことが必要だと結論づけた。

 会合にはメンバー以外も含め、感染症や公衆衛生、臨床医療などの専門家計21人が出席。座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は終了後の会見で「基本的な対策をしていれば、ただちに感染が拡大する状況ではないが、3密を避けることが重要だ」と話した。

 東京都を中心に感染者は増えているが、1日のPCR検査能力が4月上旬の約1・1万件から3・1万件に拡充されていると評価。無症状や軽症で4月には診断されなかった患者が含まれており、単純に過去の状況と比べるのは妥当ではないとした。

 しかし、高齢者を含む感染者の増加が報告されており、病床と宿泊療養場所を早急に確保する必要があるとした。保健所の体制も逼迫(ひっぱく)していると指摘した。

 見えない市中感染が広がることで、病院や高齢者施設では重症者が多発した段階になって初めて感染が明らかになる可能性があることも指摘。すでに全国で43%に達している感染経路が不明なケースの動向に一層の注意が必要だとした。3月下旬以降の感染拡大の際も、接待を伴う飲食店などから家庭内、病院、高齢者施設への順で拡大したことがうかがわれるという。

 東京から一部の地方への伝播(でんぱ)が確認されているとする一方で、「現状ではただちに地方への移動を止める必要があるとは考えていない。もう少し様子をみていく必要がある」と脇田座長は述べた。

 この組織は、厚労省が2月初めに新型コロナの感染拡大防止について専門家から助言を受けるために設けた。2月に2回、会合が開かれた後、メンバーの多くが政府に助言をする専門家会議に移行。この組織は会合を開いていなかった。

 新型コロナ対応の特措法に基づき政府が設けた分科会と多くのメンバーが重なる。主に病床確保など医療的な助言を行い、分科会は社会経済に関わる政策を議論する。

 発言者を明らかにした議事概要を残すことを決めた。