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 都内有数の繁華街・池袋を抱える豊島区。新型コロナウイルス感染者の増加数(居住地別)は、緊急事態宣言が解除された5月25日から今月10日までで155人と、新宿区に次いで2番目に多かった。「夜の街」対策として打ち出されたのが「豊島区ルール」。クラスター(感染者集団)が発生したホストクラブが区独自の休業要請に応じた場合、50万円の協力金を支給する方針だ。どんな狙いがあるのか。コロナ禍にどう対処するのか。高野之夫区長(82)に聞いた。

 7月1日に池袋の夜の街関連の感染者が新宿を上回った。大変なショックだったが、ホストクラブで大規模なクラスターが発生していたことが分かった。ただ、約240店舗あると言われている新宿と違って、豊島区には全9店舗しかない。先手先手の政策が必要だと感じ、全従業員にPCR検査を実施することにした。おおかたの検査は済んでいると聞いている。

 ――区民の反応は。

 賛否両論があり、なぜホストクラブに限ってPCR検査をするのかという厳しい意見もあった。それは豊島区で初めて起きたクラスターがホストクラブだったからで、例えば保育園でクラスターが起きたら同じように検査する。今後は区内のキャバクラなどの検査も進めたいと考えている。

 ――検査徹底の理由は。

 池袋に近い埼玉県の大野元裕知事は、池袋の感染増大に警戒感を示している。池袋は埼玉の玄関口。埼玉県民の734万人のうち、通勤通学で約100万人は池袋を通過して東京の中心部へ向かう。うちとは切っても切れない関係。まずは、池袋での感染者増加の抑え込みをスピード感を持ってやっていきたい。

 ――都内区市町村が休業要請をして協力金を支払う場合、都が区市町村に対し、1店舗につき50万円を補助することになった。「豊島区ルール」がきっかけだ。

 区民が安心して生活できる環境づくりは現場である区が詳しく、区でやるべき。ただ、財政上の限界があり、コロナ対策だけに区の財政を使うわけにいかない。都に補償してほしいとお願いした。

 戦後、闇市のエネルギーが池袋の繁華街を作り上げた。怖い暗い街というイメージがあり、それを払拭(ふっしょく)したいと思って区長になった。クリーンな街を作り出してきたが、コロナで再び怖い、汚いとなったら元のもくあみ。コロナなんかにつぶされてたまるかという信念を持っている。(聞き手・川口敦子)