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 首都圏などで新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあり、若者の感染が目立つ。中等症とされ入院し回復した経験があり、埼玉県川越市でレコード・飲食店を経営する小島大補(だいすけ)さん(38)が実名での取材に応じた。同世代ら若者に向けて「コロナを甘く見てはいけない」と警鐘を鳴らす。

 3日前から風邪気味だった4月2日、38度以上の熱が出た。感染経路に心当たりはない。市保健所を介して医療機関で検査を受け、陽性と判明。同10日に入院した。その頃には、せき込むと激しくなり、止まらない状態だった。

 X線写真をみると、肺は真っ白。ぞっとした。入院すると酸素吸入器を付けて点滴を受けた。胸部には心電図の装置が、手指には血中酸素飽和度を測る装置がつながれ、身動きはままならない。それからも熱は容易に下がらなかった。

 2週間の入院中、隔離された個室で独りぽっち。死を間近に感じたこともあった。血中酸素量が一定以下に下がると呼吸不全を起こし死に至る恐れがある。危険値に下がったことを知らせる測定器の警報音がピーピー鳴ると、「今から死ぬのかな。焼かれて骨にならないと帰宅できないのか」。頭をよぎった。

 「妻や幼い子どもたち、お客、親しい人たちへ知らずにうつしていて死なせてしまったら」。こう考えると恐ろしかった。ただ、防護服姿で入室してくる看護師の明るく、仕事を頑張る姿に勇気づけられた。

 退院後、「健康管理が一番大事」と考え、規則正しい生活を心がけるようにした。2週間ほどして診察を受けると、肺の約9割はあった白い影が、3分の1ほどになって残っていた。医師からは「これが傷痕です」と説明を受けた。「まだ、こんなんか」とショックだった。

 政府の緊急事態宣言が解除された後、「コロナ前」に戻ったかのように行動する若者たちが目につくという。小島さんは「コロナは確実にある。若いと重症化しにくい、死なないと油断しているのかもしれないが、感染してから悟っても遅い」と言う。

 若者は感染の恐ろしさを知らない半面、仕事を休みたいと言いにくい立場にもあるのではとも。「上司ら年長者が、もっと気を配らないと」と話した。(西堀岳路)