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 薬物依存症からの回復を支援するNPO法人「北九州ダルク」(北九州市小倉北区)が、新型コロナウイルスの治療にあたる医療従事者らにコーヒーなどを無償で届ける活動に取り組んでいる。その資金を19日午後11時まで、クラウドファンディング(CF)で募っている。

 感染リスクを負いながらコロナと闘う医師や看護師らがいわれのない差別を受けるケースがあるとされ、「その気持ちが分かるからこそ力になりたい」と支援に乗り出した。

 提供するコーヒーは、ダルク施設長の堀井宏和さん(47)の知人が働く沖縄県の障害者就労支援施設で作った。ドリップパックと豆をひいたタイプの2種類があり、これまで北九州ダルク主催のイベントで販売してきた。セットで添えるクッキーなどは北九州市の障害者施設と高齢者施設の利用者が作っている。

 CFは6月20日に始めた。2日後に目標額30万円を超え、7月13日時点で約60万円が寄せられた。これを使って、新型コロナの患者を受け入れている北九州市内の病院や市保健所などにコーヒー1600杯分とお菓子600セットをすでに届けた。

 新型コロナウイルスの治療にあたる医療従事者の中には、子どもが保育所の登園を断られる人もいるという。未知のものへの不安から偏見や差別が生じる状況に、堀井さんは自らの体験を重ねた。

 2018年のことだ。北九州ダルクの利用者が生活する施設の引っ越しに伴い、移転予定先で住民説明会を開いた。「利用者が錯乱して何かあったらどうするのか」「クスリの売人に周りをうろうろされたら困る」。反対に遭い、別の場所を探すしかなかった。

 コロナをめぐる差別に堀井さんは「怒りがこみ上げてきた」といい、「社会全体で医療従事者らを支えていく必要がある。『ありがとう』の気持ちを今回のクラウドファンディングで届けたい」と語る。

 北九州ダルクは、主催する依存症患者の家族向けの講習会などで、市職員や看護師らと普段から交流がある。利用者の状態が落ち着かないときは、地域の医療機関で診察を受けたり、入院したりすることもある。「これまで活動を応援してくれた人たちに恩返しがしたい」。CFには、そんな思いも込めた。

 寄付金はCFサイト「READYFOR」(https://readyfor.jp/projects/37108別ウインドウで開きます)で募っている。堀井さんは「最前線に立つ医療従事者の方に少しでもほっとできる癒やしの時間を過ごしてほしい」と望む。(布田一樹)