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 新型コロナウイルスが確認され、感染が世界中に拡大していった時期に世界保健機関(WHO)本部にいた医師がいる。危機的状況の中でも患者の安全をどう守るのか。感じたことは、日頃の訓練や正しい情報を得ることの大切さだったという。

 群馬大大学院医学系研究科(前橋市昭和町3丁目)の田中和美助教(46)は学内に設置されたWHO協力センターを通じて、昨年10月から半年間の予定で派遣された。

 外科医で、群大医学部付属病院にある実技研修の場「スキルラボセンター」の責任者でもあった田中さんは、群大病院で腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者が相次いで死亡したことを受け、安全体制強化のために大学院内に開設された「医療の質・安全学講座」に加わった。技術力だけでなくチームワークなどでも安全を考える立場となり、派遣はその一環だ。

 WHOでは、患者の安全のための指針作りなどを担当する部署で専門的知識を生かしながら研修するような形で参加。職場は国籍や性別に関係なく職員の熱意にあふれていたという。

 そんな中、昨年12月に中国・武漢市で原因不明の肺炎患者が確認されて以来、急速に新型コロナの感染が世界中に拡大した。WHO本部のあるスイス・ジュネーブの日常も変わっていった。

 WHOが3月11日、世界的な流行を意味する「パンデミック」と認定した頃には在宅勤務に。感染拡大でロックダウン(都市封鎖)も経験した。医療従事者に対しても、毎晩ベランダで拍手を送る市民を目にする一方、国内外を問わず中傷されていることも知った。

 患者も医療従事者も心に不安を抱える中でどう安全を守るのか――。感染の危機レベルの違う世界各国の医師らをウェブで結び、経験を語り合うなど仲間と考えた。国や地域によっては医療崩壊も見られる中、安全対策のチェック表を用意すれば解決する問題ではないと思った。

 防護服の脱着などの基本を含めた日頃からの訓練と、正しい情報の受発信。これらの大切さを実感した。

 田中さん自身も初の海外暮らし…

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