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 彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市中央区)で「パーキンソン病患者のためのダンス・プログラム(Dance for PD)」がオンライン開催されている。当初の目的は新型コロナウイルスの感染予防だったが、遠方からでも参加でき症状の急な変化にも対応できる環境から、従来よりも多くの人が参加するようになった。

 プログラムは米国の「マーク・モリス・ダンスグループ」が開発したもので、世界25カ国以上で展開されている。パーキンソン病は手足の震えやこわばりなど運動機能低下の症状が出る病気で、「前後より左右のステップの方が比較的動きやすい」など、パーキンソン病の症状を踏まえた振り付けメソッドを元に、講師と共に音楽に合わせ体を動かす。医学的効果も証明されているが、「動ける」という実感で患者らの気持ちを明るくし、自己肯定感につなげる狙いが大きい。

 同劇場では昨年10月から月1回程度の定期クラスを開いてきたが、コロナ禍に伴い5月末からはオンライン講座に。担当者の請川幸子さん(48)は不安もあったというが、「北は青森から西は広島まで、参加できる方が格段に増えた」と喜ぶ。

 参加者が増えたのは地理的な制約がなくなったからだけではない。パーキンソン病患者の症状の出方や程度は日や時間帯によって異なるため埼玉県内居住でも参加をためらう人も多かったが、オンラインで門戸が広がった。これまでに47~84歳の延べ100人が参加した。

 4回目の開講となった6月23日、参加した栃木県の岩井悠子さん(73)は「リハビリは『義務』。痛くて動かないと悲壮な気持ちになるが、ダンスなら痛みも気にならず楽しい」。3回目の参加だった石川県の宮野安代さん(75)は「初めて踊ったとき、体がすごくよく動いて涙が出そうになった」と話した。

 7月の開講は17日と29日で、定員は各回50人、参加費は無料。申し込みは同劇場のホームページから。(黒田早織)