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 将官級と呼ばれる高級幹部自衛官の再就職をあっせんしたとして、防衛省は14日、陸上自衛隊幹部ら5人を停職などの懲戒処分にし、発表した。あっせんは省内の通達で2009年から禁じられ、自衛隊法改正で15年からは違法になっている。このほかに、監督義務違反があったなどとして歴代の陸上幕僚長など計18人に対しても、訓戒や注意などの行政監督上の処分を出した。

 発表によると、懲戒処分になったのは、陸幕の募集・援護課の元課長や課員ら5人。15年10月~18年7月、退職を控えた将官級ら25人の経歴や再就職希望などの情報を違法に民間企業21社に提供していた。情報提供はいずれも企業からの求めに応じたもので、省と利害関係のある企業はなかった。再就職につながらなかった人も一部いたという。

 こうした企業への経歴の提供は、省内の通達で禁止された09年以降、続いていたという。通達以前はあっせんが認められていた。違反に関わった担当者らは調査に対し、「ルール変更のたびに違反にならぬよう対応したつもりだったが、認識が甘かった」などと説明しているという。防衛省は「長期にわたり構築・運用されてきた再就職援護システムの一環として行われてきた」と説明している。

 階級制の自衛官には上から将官、佐官、尉官などの序列があり、佐官以下は56歳までに定年を迎える「若年定年制」。比較的若く退くため、省による再就職あっせんが認められており、募集・援護課がその業務を担っている。一方、将官は定年が60歳で、あっせんは禁じられている。(伊藤嘉孝)