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 東京で再び新型コロナウイルスの感染が広がり、都内のホテルで宿泊療養する軽症者も増えている。ホテルでは、東京五輪・パラリンピックを準備してきた職員たちも対応にあたっている。「困難の先に五輪がある」。そんな思いを胸に、本来の業務を離れてコロナ対策に力を入れている。

 6月末、玄関口が閉ざされた東京都八王子市のホテル「the b 八王子」。午後1時半、防護服を着た職員たちがごみ袋を玄関まで運び出し始めた。

拡大する写真・図版新型コロナウイルスの軽症感染者が入るホテルで、ゴミの搬出作業にあたる青木悦子さん=2020年6月29日、東京都八王子市、長島一浩撮影

 「今日は量が多いですね。入所の方が増えていますから」。ごみ袋を受け取った、大会組織委員会職員の青木悦子さん(40)は言う。この日、ホテルでは軽症者ら30人余りが宿泊療養していた。使い捨てのリネン類や弁当の空き箱などを、三重の袋に入れて出す。

 軽症・無症状者を入院させずにホテルで療養してもらう取り組みは4月に始まり、八王子市のホテルは5月から運用が始まった。ホテルには、組織委から都に一時帰任した青木さんらのほか、都オリンピック・パラリンピック準備局に所属していた職員や八王子市職員たちが詰める。常時約10人で療養者を見守り、入所時の説明や食事の提供、健康管理、保健所や医師、看護師らとの調整にあたる。

拡大する写真・図版ゴミの搬出作業前、青木悦子さんは手袋をつけた=2020年6月29日、東京都八王子市、長島一浩撮影

 「皆さんに安心して療養してもらうこと、それと私たちが感染しないことが使命。ここで感染が広がれば、病院を支えられない」

 青木さんは2015年から都で大会準備に関わり、出向した組織委でも小中学生からのポスター募集など機運を盛り上げる事業の企画・運営を担った。春からはパラリンピックのマラソンが担当のはずだった。だが、新型コロナの影響で大会は1年延期に。「昨年の、大会まで『いよいよ1年』という1年と、延期となった時の1年は違う。何をしていいかわからない。当時はすごく遠く感じた」

 組織委によると、新型コロナの感染拡大と五輪・パラの延期を受けた都の要請で、累計97人(6月29日時点)の組織委職員が都に一時帰任。保健所業務のほか、事業者への協力金・給付金の事務などコロナ対策にまつわる仕事をしている。同じように、出向元の自治体に一時帰任した職員は58人いた。

拡大する写真・図版療養者が出入りする1階ロビーからごみを回収する際は防護服を着用する。壁に着用手順が貼られ、2人1組で確認しながら防護服を着ているという=東京五輪・パラリンピック大会組織委員会提供

 青木さんは、ホテルを出る女性から言われたひと言が忘れられない。

ホテルでの療養者はずっと客室内で過ごし、人と会う機会はほぼありません。そんな孤独な日々を少しでも和らげ、支えるのが青木さんの今の役目です。一方で、青木さん自身にも支えとなっているものがあります。

「こんなにたくさんの人にお見送…

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