行定監督を奮い立たせた大林宣彦の発想法 苦境を逆手に

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斉藤勝寿
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 映画「GO」や「世界の中心で、愛をさけぶ」で知られる行定勲監督(51)。コロナ禍で活動が制限される中、リモートで短編映画を2本つくり、YouTubeで公開した。背中を押してくれたのは、あこがれだった故大林宣彦監督の言葉だった。

 新型コロナウイルス感染防止のため映画館が軒並み休業。公開されるはずだった「劇場」と「窮鼠(きゅうそ)はチーズの夢を見る」の新作2本がいずれも延期となった。

 「さすがに落ち込んだ半面、映画監督としてこの状況で何ができるかを考えた」。知り合いの俳優に声をかけ、ZOOM(ズーム)で撮影した映像を使って短編映画をつくった。有村架純さんらが出演した「きょうのできごと a day in the home」はリモート飲み会が舞台。「いまだったら言える気がする」は中井貴一さんと二階堂ふみさんらが織りなす大人のラブストーリー。現在、Huluで配信中だ。

フィルムの量を半分にして製作費を半減

 今年4月に亡くなった大林監督と初めて話したのは22年前。「みちのく国際ミステリー映画祭」に参加した時のことだった。「ちょっと話そうか」で始まった会話は3時間に及んだ。

 大好きな大林作品「日本殉情…

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