拡大する写真・図版柱の下にある鬼の顔。戦前に社長を務めた山口正造が、鋭い目つきで従業員を監督している姿と言われている=2020年7月8日午前11時59分、神奈川県箱根町、高橋雄大撮影

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 国内有数の温泉観光地、神奈川県箱根町の苦境が続いている。昨年の火山活動の活発化と台風19号に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた。観光業への逆風はなお続いているが、15日には地域の歴史を代表する「富士屋ホテル」が改修工事を終えて復活。観光名所をつなぐロープウェーの早雲山(そううんざん)駅にも、足湯付きの展望テラスが設けられ、地域の再生へ歩みを進めようとしている。

「安心安全でお迎えしたい」

 温泉街の宮ノ下にある富士屋ホテルは、1878(明治11)年創業。チャールズ・チャプリンやヘレン・ケラー、アインシュタインらも宿泊した日本最古級のリゾートホテルだ。

拡大する写真・図版改修を終え、営業を再開する富士屋ホテル=2020年7月8日午前11時25分、神奈川県箱根町、高橋雄大撮影

 15日午前に式典があり、約2年ぶりに営業を再開。箱根町の山口昇士町長は式典で、「国際観光地箱根はまさに富士屋ホテルから始まった。コロナの第2波が懸念される中、(感染予防の)気を緩めず、町をあげてお客様を安心安全でお迎えしたい」と述べた。内覧会もあり、メインのレストランでホテルの担当者は「席数は半分程度に減らしました。感染を予防しつつ、ゆったりした雰囲気を楽しんでいただけます」と話した。

 新型コロナ対策で、ホテル正面玄関には発熱している人を検知するためのサーモグラフィーカメラが設置された。カメラの前を通ると、映像に「36・1度」などと体温が示される。37・5度以上の場合はカメラ側からフラッシュがたかれ、注意を促すという。

拡大する写真・図版新設されたスパ。周辺の箱根連山を展望できる=2020年7月8日午後1時、神奈川県箱根町、高橋雄大撮影

 居室に温泉を引いているが、約9割を占める日本人客には大浴場を望む声が多く、敷地で最も高い所に立つ棟の最上階(6階)を改装し、眺望を売りにした大浴場を設けた。男女各35平方メートルの浴槽から、国の登録有形文化財に指定されているホテルの各棟や、明星ケ岳に連なる山々を見渡せる。「大きな風呂は悲願だった」と飯田慶・副支配人。

 ジョン・レノンや三島由紀夫が泊まった登録有形文化財「花御殿」3階の「菊」では、昭和時代のソファのシートを張り替え、彫刻は入念に磨いた。床には菊の模様の真新しい絨毯(じゅうたん)を敷いた。地下1階の「ミュージアム」には、創業以来140年の伝統がわかる資料が展示されている。

再生に向け、箱根の人々の思いは――
昨年、火山活動の活発化で人気スポットの大涌谷が立ち入り禁止に。さらに台風19号による土砂崩れ、そして今回のコロナ。度重なる災禍で、町内の宿泊客数は今年4~5月、前年比で9~8割減少しました。記事の後半では、リニューアルされた箱根ロープウェイの駅などの新しい見どころや、コロナに気を配りながら復活を目指す人々の思いに迫ります。

 レストランやラウンジの「密」…

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