コロナウイルスの感染拡大で、世界は大きく変わろうとしています。政治、医療、経済……。様々なジャンルで舞台裏を追う連載「コロナの時代」。今回は、首相官邸がこの半年間、どう動いたかを追う全6回のシリーズ「官邸 非常事態」です。連載4回目は、緊急事態宣言発令や外出自粛、休業要請に至る経緯に迫ります。
3月23日。小池百合子・東京都知事の言葉が、首相官邸をゆさぶった。
「都市の封鎖、いわゆる『ロックダウン』など強力な措置を取らざるを得ない状況が出てくる」
小池氏はこの日突如として記者会見を開き、「今後3週間がオーバーシュート(患者の爆発的急増)への重要な分かれ道」と危機感をアピールした。安倍晋三首相が、東京五輪・パラリンピックの延期容認に初めて言及した2時間後のことだった。
官邸が悔しがった理由
24日、首相と国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が電話協議し、五輪延期の方向性が決まると、小池氏はすかさずアクセルを踏む。25日夜に再び緊急会見を開き、「感染爆発 重大局面」と印字されたボードを掲げた。「何もしないでこのままの推移が続けば、ロックダウンを招く」。そう語気を強めると、東京都民に対し、夜間や週末の「不要不急」の外出自粛などを要請した。
官邸は激震に見舞われた。会…

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