【動画】助かった猫は「キセキ」と名づけられた=神谷裕司撮影
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 宮崎県都城市で5月、1匹の飼い猫が顔や手足、背中などに大やけどを負いながらも住宅火災から生き延びた。猫は高原町の動物愛護のNPO法人「咲桃虎(さくもんと)」に保護され、「キセキ」と名付けられた。火事から2カ月ほど。やけどの傷痕も癒え、すっかり元気になった。

 高齢夫婦が飼っていた10匹の猫のうちの1匹だった。残り9匹のうち数匹は死骸で見つかり、他は行方不明となった。

 1歳前後のオスの「茶トラ」。火災の後、火事現場の近くに住む人が自宅倉庫内にうずくまっているのを見つけ、保健所に相談すると、咲桃虎の代表の山下香織さん(39)に連絡を取ってくれた。

 全身の毛が焼け、顔も肉球も痛々しい状態。山下さんは動物病院に連れていきながら看病を続けた。高カロリーの治療食を与え、傷痕には薬を塗った。

 1週間後には鳴いたり、歩いたりできるようになった。赤くただれていた傷痕も少しずつ治っていき、7月初旬にはほぼ完治した状態に。毛も生え始めた。やけどで引きつり、つぶることができなかった目も、閉じるようになった。「奇跡の生命力の持ち主ですよ」と山下さん。

 鳴き声も力強くなり、救助時に3キロだった体重は3・3キロに。今月4日には去勢手術を終えた。

 火事で住まいを失った飼い主夫婦も、住居のめどが立った。夫婦は「自分たちに万が一のことが起きた場合に飼ってくれる人(後見人)を確保する」ことを前提に、キセキの引き取りを希望しているという。(神谷裕司)