コロナ最小限へ停戦決議、国連が採択 停戦は実現する?

新型コロナウイルス

聞き手・笠原真
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コロナQ&A(海外事情から学ぶ編) 回答:勝間靖・早稲田大大学院教授

 Q 国連安全保障理事会が今月1日、紛争地での即時停戦を定めた決議案を採択しました。新型コロナウイルスの影響を最小限にしようと、グテーレス事務総長が呼びかけてから、100日を経てのようやくの採択でした。今後、停戦は実現するのでしょうか。

 A 今回の停戦決議は90日間という期限つきですが、人道支援ができるという意味では、短期的な効果は大きいです。一時でも停戦が実現すれば支援者による人道支援が容易になり、食料や薬の供給ができるからです。「セーブ・ザ・チルドレン」などの支援機関も決議を歓迎しています。

 一方、今回の決議内容には限界もあると思います。安保理が「テロリスト」に指定した武装勢力に対する軍事行動は、停戦の対象から除外されたからです。シリアなどでは戦闘が続き、難しい状況は脱せません。

 また新型コロナへの対応を続けていくには、期限のない中長期的な停戦が必要です。今後、国連加盟国は、各地の停戦協議の進め方について議論していくことになります。地域によっては、平和維持活動(PKO)の派遣団が停戦に必要な任務を担ったり、国連事務総長の特使が協議の調停者として新たに派遣されたりするでしょう。

 停戦協議が進まないことで困るのは紛争下の一般市民です。もともと医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な紛争地ではPCR検査もできず、感染の実態把握は難しい。教育もままならない地域では新型コロナの脅威について理解が進まず、身体的距離を取るなどの予防措置も不十分のまま、感染が蔓延(まんえん)するかもしれません。今回の安保理決議を後ろ盾に、いかに90日以上の停戦を続けていくかが重要になります。(聞き手・笠原真)

    ◇

 かつま・やすし 早稲田大大学院教授(国際開発論)。ユニセフ職員としてアフガニスタンなどで勤務し、人道支援に携わってきた。

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