[PR]

 英国西部ブリストルで6月、人種差別に抗議するデモ隊によって奴隷商人像が引き倒されたが、残された台座に今月15日早朝、「ブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命も大切だ)」運動の参加者をかたどった像が設置された。無許可で設置された像には賛否両論がでており、市は撤去する方針だ。

 英BBCなどによると、像はロンドンを拠点とするアーティストが製作した。6月7日、17世紀に奴隷貿易で財をなし、遺産を寄付して市の発展に貢献したとされるエドワード・コルストンの像をデモ隊が引き倒し、港に投棄。その後、空になった台座の上に立って拳を突き上げる黒人女性の写真が、SNSに投稿された。この写真を見たアーティストが女性に連絡し、3Dプリンターを使って像をつくったという。

 像の周りには、片ひざをついて人種差別撲滅への団結を示す人たちが集まった一方、撤去を求める人たちもいたという。

 ブリストルのリース市長は「台座の今後と記念碑をどうするかは、ブリストルの人々によって決められなければならない」とする声明を出した。市は歴史を検証する委員会を設置しており、歴史認識などの議論を深めて意思決定の土台にしていく考えだ。リース氏はツイッターに、「この手続きを経ずに台座に設置されたものは、何であっても撤去する」と投稿した。

 一方、港に投棄されたコルストン像はその後引き揚げられており、デモ隊のプラカードとともに今後、市の博物館に展示される予定だ。(ロンドン=下司佳代子)