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 インド洋の島国モルディブが、新型コロナウイルス拡大防止のため3月下旬から規制していた海外からの観光客の入国を15日に解禁した。観光業に大きく依存するモルディブ経済は、コロナで打撃を受けていた。「のんびり過ごす一種の隔離のようなもので、感染拡大リスクは少ない」(政府観光局)と説明している。

 約1200の島々からなるモルディブ。一つの島に一つのリゾートホテルしかなく、ホテル従業員らのほかに住民がいない「リゾート島」が148ある。モルディブ政府は、それぞれのリゾート島で医療従事者や隔離設備を用意する対策をとった上で、観光客を受け入れるという。

 モルディブのこれまでのコロナ感染者は約2800人で、死者は14人。感染者のほとんどが首都マレの住民だ。

 外周5キロほどの小さな島であるマレの人口は約21万人で、リゾート島とはちがい、世界有数の人口密度とされる。マレでは3月下旬以降、1世帯から1人が1週間に1時間だけ外出を許されるという厳しい制限が課されていた。6月から徐々に緩和し、7月からはレストランや商店も再開している。

 観光客はマレから入国後、船や飛行機でリゾート島に向かうため、モルディブ政府は空港到着時にマスク着用を求めている。入国に際しては健康申告書を提出するだけで、PCR検査や隔離措置は必要ない。全日程を1カ所のリゾート島で過ごさなければならず、複数の島での滞在はできないという。

 モルディブは約50万人の住民に対して、3倍以上の年間約170万人の観光客が訪れ、観光が国内総生産(GDP)の3割を占めている。最も多いのは中国からで、インドや欧州各国が続く。日本からは昨年、約4万5千人が訪れた。(奈良部健