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 部活動が解禁されてから約1カ月後の6月下旬、部室や武道場に集まった三刀屋(島根)の選手たちが、スマートフォンの画面を見つめながらストレッチに励んでいた。画面の向こうで指導するのは、同校野球部OBで理学療法士の資格を持つトレーナー、徳島靖展さん。実際に上半身や股関節を動かしながら柔軟のコツを伝えて見せた。

 三刀屋は、新型コロナウイルスによる部活動の自粛を受け、4月下旬からウェブ会議システム「Zoom」を利用した練習を採り入れた。徳島さんの発案で、体幹トレーニングやストレッチなど、週6日、時には1日2時間に及んだ。

 苦しい仲間の顔を画面越しに確認しながらのトレーニング。岡田歩大(あゆと)主将(3年)は「みんなの元気な姿をみて安心できた。声を出しあうことで、一人でも自分を追い込めた」と振り返る。

 その後も、LINE上で配球や守備の位置取りに関するクイズや、ストレッチ法などを共有し合った。内田智也君(3年)は「独自大会があると信じ、野球勘を忘れないように意識していた」という。

 部活動が再開した5月25日、国分健監督は約1カ月ぶりとなる部員の姿に驚いた。「筋力も落ちているかと思ったが、オンラインの練習のおかげか体にキレがあった。何より甲子園中止にもめげず、独自大会優勝にかける強い思いが伝わってきた」

 トレーナーが自宅にいながらでも指導を受けられるとあって、グラウンドに集えるようになった今も、週1回程度、オンラインを活用した練習を続ける。国分監督は「休校中もモチベーションを上げられた。オンライン技術は、練習やミーティングに活用できる」と手応えを感じている。岡田主将は「他のチームよりも体の仕上がりには自信がある。甲子園にふさわしいチームだったと認めてもらえるよう、優勝したい」と意気込んだ。(清水優志)