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 全国の感染症指定医療機関のうち、常勤の専門医がいる施設は約35%にとどまることが、日本感染症学会(舘田一博理事長)の調べでわかった。学会は国と全国知事会に要望書を15日付で出し、人材育成の強化などを求めた。

 感染症法に基づく指定医療機関には、厚生労働相が指定する「特定」と、都道府県知事が指定する「第1種」「第2種」があり、新型コロナウイルスの重症患者も受け入れてきた。

 学会では6月12日時点で、認定する「感染症専門医」が常勤でいる施設を調査。全408施設の35・3%にあたる144施設だった。特定と第1種では、計57施設中のうち44施設(77・2%)、第2種では351施設のうち100施設(28・5%)だった。専門医の数は1560人だった。

 6年前と比べると、専門医の数は373人増えた。常勤の施設の割合は、特定・第1種で10・5ポイント上がったが、第2種では5・6ポイントの上昇にとどまった。専門医が大都市圏に偏在することも指摘した。

 要望書では、専門医がいない施設へ派遣する仕組みづくり、大学などへの「感染症内科学講座」の設置、専門医が診療した際の診療報酬の加算などを求めた。学会の専門医審議委員長を務める東京大医科学研究所付属病院の四柳宏教授(感染症内科学)は「この先も新しい感染症は必ず来る。現状を乗り切るとともに、中長期に備える必要がある」と話した。(野口憲太)