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 札幌市の秋元克広市長は16日の定例会見で、ススキノ地区に来週半ばにも臨時のPCR検査センターを設置すると発表した。接触を伴う夜の飲食店で働く従業員らが対象で、同地区のキャバクラでクラスター(感染者集団)が発生したことを受けたもの。また秋元市長は鈴木直道知事に、道と市による合同の対策チーム設置を申し入れた。

 「密接な距離で接触する業態の夜の店」で働く従業員らに特化した検査機関とすることで、積極的にPCR検査を受けてもらうことが狙い。秋元市長は「夜の街での感染は若者が多く、気付かないまま行動して感染を広げていく恐れも懸念される。いち早く感染拡大を防がないといけない」と述べた。検査センターの場所はススキノ地区内に設け、一般には公開しない。

 また秋元市長は16日、北海道庁を訪れ、鈴木知事に合同の対策チーム設置を申し入れた。秋元市長は冒頭、「市中感染が広がらないよう早急な対応が必要。国の専門家の協力もいただきながら、合同対策チームを作れないか、ご協力のお願いに来た」とあいさつ。鈴木知事は「大変憂慮している。早期に集団感染を収束させるためには、『攻めのPCR検査』をはじめ前例にとらわれない対策を講じていく必要がある」と述べ、全面的な協力を表明した。チームは札幌市保健所内に立ち上げ、対応に当たるという。

 ススキノ地区では15日、キャバクラ1店舗で従業員と客計12人(9日判明の1人を含む)のクラスターの発生が確認された。札幌市が濃厚接触者の特定を急いでいる。

 同地区では観光協会が中心となって感染予防策のガイドラインを作り、順守している店は認証してステッカーを配っている。ただ、こうした店は同地区の約3千店舗のうち400店程度にとどまっている。

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 新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた観光関連業者を支援する「Go To トラベル」事業は、感染拡大の兆候が見られたら一時停止できるように――。鈴木直道知事が16日、赤羽一嘉国土交通相に柔軟な制度への見直しを求めたのは、東京都内からの旅行客により、感染の「第3波」が発生しかねないと判断したためだ。

 要請書は4項目。事業対象を同一都道府県内か感染拡大が同程度の地域間に限定▽感染拡大に伴い知事が注意喚起を発出した場合は事業を一時停止できるようにする▽感染拡大傾向の地域での事業実施は、知事と協議して継続か一時停止を判断する、としている。

 鈴木知事は、現在は東京を中心に感染拡大の局面にあるとの認識を示したうえで、「事業がスタートしたら止まらないというのでなく、感染拡大の傾向が見られたら、知事がメッセージを発出した段階で一時停止できるような、ブレーキがかけられる制度設計にすべきではないか」との考えを示した。

 また、道が独自に先行実施している「どうみん割」を引き合いに、「『Go To トラベル』も、道民が道内を旅行する際に使わせてほしい。全国一律ではなく、地域の実態に即して柔軟に対応すべきだ」と述べた。(芳垣文子、斎藤徹、松尾一郎)