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 旧優生保護法のもとで国が不妊手術を強いたのは憲法違反だとして、福岡県の聴覚障害のある夫婦が国に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が16日、福岡地裁であった。妻は意見陳述で「夫が手術を受けたことで、人生が大きく損なわれた」と訴えた。

 原告は80代の夫と70代の妻。訴状などによると、2人はともに聴覚障害があり、ろう学校の卓球大会で知り合って1967年に結婚。この直前、夫は旧優生保護法に基づき、不妊手術を同意なく国に受けさせられた。夫は結婚して半年経つまで、妻に打ち明けられなかった。

 意見陳述で、妻は手話通訳を通して思いを訴えた。「私は子どもが大好きで、最低1人は子どもがほしいと思っていた」。だが、夫に打ち明けられ、「子どもを産むことはできないと確信し、立ち上がれないほどの衝撃を受けた」。

 強制不妊手術を巡る訴訟はこれまで全国で他に9地裁・支部で提訴され、東京と仙台の両地裁では原告が敗訴。いずれも不法行為があっても20年で請求権が消える「除斥期間」を適用し、国の賠償責任を認めなかった。

 これを念頭に、弁護側はこの日、旧優生保護法が生んだ偏見や差別による損害は今も続き、除斥期間は当てはめられないと主張。徳田靖之弁護士は「被害の本質は、子を産み育てる権利を侵害されただけでなく、この世に生きていては困る、迷惑な存在であると烙印(らくいん)を押されたまま生きていく人生を強いられたことだ」と指摘した。(山野健太郎)

原告女性の意見陳述要旨

 1歳半のとき、鼻ジフテリアと両耳の中耳炎を患い、耳が聞こえなくなったそうです。その頃、父は満州にいて、母はひとりで私の病気や障害に向き合ってくれました。母は私を大事にしてくれました。耳が聞こえないことを周りの人に丁寧に説明し、私が嫌な思いをしなくて済むよう、心配りをしてくれました。

 小学校は、地元のろう学校に通…

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