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 猫の手を借りて思いついたアイデア商品「しっぽ貸し手」が人気だ。看護師経験のある社長に開発の経緯を聞いた。

 作っているのは山本製作所(愛知県豊川市)。真鍮(しんちゅう)銅合金材を使用した猫シルエットの商品で、マスクを保管するためのフックとしても、ボタンなどを直接触れずに操作するためのタッチレスツールとしても使える。価格は税抜き3300円だ。

 5月下旬に発売するとネットメディアやテレビで取り上げられ話題に。4千個以上が売れて、現在注文しても届くのは8月末以降という人気ぶりだ。

 もともと送電設備向けの部品を作っていた会社だったが、2012年に田中倫子さん(35)が社長に就任して販路を拡大。通販事業の第1号商品が、しっぽ貸し手だ。

 社長になる前は看護師として働いていた田中さん。今年3月、かつての同僚と話すなかで、病院でもマスクが不足していて、使い回さざるを得ないことがあることや、置き場所に困っていることを聞かされた。

 構想中だったタッチレスツールと、マスクかけを合体させることを思いつき、デザインに悩んでいると、工場周辺に猫が現れるようになった。

 「いったい何しに来てるんだろう」と思いながら眺めていたら、「このシルエット、商品に使えるかも」とひらめいた。尻尾がフックになっていることもあって、しっぽ貸し手というネーミングが決まった。

 試作品を看護師仲間に使ってもらい、修正を重ねて商品化。医療従事者だけでなく、猫好きな人たちにも受け入れられている。

 田中さんは「『コロナで会社が大変な中で何とかしよう』と、社員が頑張ってくれたおかげです」と話している。(若松真平)