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 東京電力福島第一原発の処理済み汚染水の処分方法について、政府は17日、5回目となる意見を聞く会を福島市内で開いた。これまでは首長や関係団体の代表らが意見を述べてきたが、初めて県内の住民の立場で4人が出席。海洋放出への反対などを訴えた。

 川俣町の菅野良弘さんは、国の小委員会が有力視した海洋放出への反対を明言した。いまの技術ではとれない放射性物質トリチウムの除去技術を開発するまで、処理水を保管するよう求めた。国や東電が、水のタンク置き場をこれ以上確保できないとする点についても「原発の敷地に限りがあることはわかっていた。中間貯蔵施設の地権者と(土地の利用目的を変更するために)交渉したのか」とただした。

 大熊町の井戸川洋一さんも「トリチウムを取り除かない限り、海洋放出は非常に難しい」と話す一方、「処理水のタンクが大熊町からなくなることを祈っている」と述べた。広野町の秋田英博さんは「国が責任を持って、補償を含めて安全を確保すると断言することが大事だ」と指摘。楢葉町の猪狩光市さんは、県内の農水業者がいまも風評被害に苦しんでいるとして、「新たな風評が出ないよう、慎重に取り組んでほしい」と求めた。

 会合後、意見を聞く会の座長を務める松本洋平・経産副大臣は「県民一人ひとりの率直な意見をちょうだいできた」と述べた。次の会合も検討中としつつ、時期は明言しなかった。(福地慶太郎、藤波優)

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