拡大する写真・図版 今年は開設中止となった片瀬西浜・鵠沼(くげぬま)海水浴場。ライフセーバーがマリンスポーツ可能エリアと自粛エリアを分ける旗を準備していた。奥は江の島=2020年7月18日午前10時5分、神奈川県藤沢市、嶋田達也撮影

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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、関東の海水浴場が軒並み開設中止となっている。ただ、海辺への出入りはできるため、梅雨が明けるとたくさんの人が集まるとみられている。ビーチでの事故をどう防ぐか。前例のない夏がやって来る。

 例年ならひと夏で100万を超える人が集まる神奈川県藤沢市の片瀬西浜・鵠沼(くげぬま)海水浴場。18日、海上保安庁職員やライフセーバーらが人命救助訓練のために集まった。「今年の夏は海辺を管理する人の目が少ない。事故が増えるのではないか」と地元のライフセーバーの河西亮佑さん(30)は話した。

 海の家でつくる組合で理事長を務める森井裕幸さん(63)は「東京で感染者が増えている。梅雨が明ければ人が出てくるので、感染が広がらないか心配だ」。

 1・1キロの砂浜に、昨年は31軒あった海の家が今年は1軒もない。感染拡大を防ぐため、「海の家は完全予約制に」「砂浜に目印を設置し、人との間隔を確保」といった指針を県が提示。業者側は「営業をあきらめるように仕向けるのはひどい」と反発したが、開設は中止になった。浜辺には日陰がなく、「熱中症も懸念の一つ」と森井さん。シャワーもない。

 「海への愛着を持つ方はいるでしょう。それでも、今年はなるべく海に来ないで」(鎌倉市の松尾崇市長)、「地場産業の『海』をあきらめるのは断腸の思いだが、安全を守るため協力を」(逗子市の桐ケ谷覚市長)などと地元の首長も呼び掛けるが、浜辺では混雑による「密」の発生や、ゴミの散乱も心配されている。鎌倉、逗子、葉山の2市1町では海水浴場での飲酒やバーベキュー、音響機器の使用などを制限する条例を一部改正し、今夏限定のルールを定めた。県と自治体が配置した警備員がマナーアップを呼びかける。

 各市町とも「ゴミは持ち帰ってもらう」のが原則だが、鎌倉や逗子では市がゴミ箱を設置し、集めたゴミを収集日まで保管する。鎌倉の由比ガ浜茶亭組合の増田元秀組合長は「来年こそ、みんなに来てほしい。それには鎌倉の海岸はゴミだらけだったよね、となっちゃおしまい」と仲間とそろいの青いTシャツで砂浜のゴミ拾いをする。

 県内では、全25カ所の海水浴場が開設中止となった。例年なら海水浴場の開設者である地元の組合や自治体がライフセーバーを雇って配置するが、今年は海岸の管理主体である県も海岸ごとに警備員2人を雇い、パトロールする。人出が多いと想定される藤沢、鎌倉などの海岸では、週末や祝日の日中、ライフセーバー2人が加わる。8月以降の夏休み期間中はさらに増員し、延べ2千人を雇用する。

 ライフセーバーたちは、感染の危険に神経をとがらせる。口移しの人工呼吸はしない、海中での救護は複数が交代でするなど、日本ライフセービング協会のガイドラインに沿って行動する。「看護師もいないので、クラゲ被害も自力対処をお願いしたい」と鎌倉で出動予定の神奈川県ライフセービング協会副理事長の菊地一郎さん(48)は言う。

■海難事故…

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